"あたし"のいる場所に、時間は関係ないと思う?
そんなことないよ。
電脳空間にだって、夜はある。
夜更かししてサーフィンしている人もいて、それなりに混雑しているエリアもあるけど。
ここはとても静かになる。夜間は、メインネットワークも休止していて。昼間には、めまぐるしいほどの勢いで飛び交うやりとりもなくて。
私自身も。
メインプログラムはお休み。管理プログラムだけを残して緊急用の回線だけを、オープンネットに接続して。
"あたし"も眠る。
そして朝は。
オープンネットにつながった回線から、朝が来るのがわかる。通信関係のtrafficが増加しはじめる。夜間は切り離されていた閉鎖空間が、オープンネットへの扉をあける。"情報"が、ネットワークを拘束で飛び交い始める。
それを、わずかだけれど外へ繋いだ、緊急用回線から感じ取って。朝が来たことを知る。
そして。
「おはよう、YOU」
起動する研究室のネットワークと、"ご主人"の声――。
今日も、眩しいほどの1日が始まる。
(初出:会員制サークルエレメント会報No.9)
以前企画で書いた「時には、こんな一日。」のYOUちゃんのお話。
エレメントの会報で1p創作として出したものです。うっかりサイトにあげるのを忘れてました……。1年半くらい寝かしちゃった(^^;