ただ、月があんまりにもきれいで。
「うぇー、つっかれたよー」
なぁにも、外が真っ暗になるまで課題やらせなくたっていーじゃないのよぉー。
って、言ってもムダか。なんてったって受験生!だもん。
個別指導で、個性に合わせた指導ってのがウリだっていう、私の行ってる塾。今日なんか、最後の1人だよー。
塾の入ってるテナントビルの入り口を出て、ひとつのびをして。そして気がついた。
満月。
夜も遅く、商店街はほとんどがもう店じまいをしていて。街灯ぐらいしか灯りのない、そんなところで。
黄色い、まん丸お月様。
「うっわーっ……」
こんなにきれいなお月様なんて、久しぶりに見た。
だから、次の瞬間。
「あ、もしもし? 今、外見て外っ! すっごくきれいなの! 何がって、お月様! 見た?」
思わず電話しちゃったんだ。
電話の向こうで苦笑されるまで、アナタが遠いところにいることすら、忘れてたの。
もしかしたら、全然お月様なんて見えないかもしれなかったのに。
こっちは月が見えないかもしれないとか、考えなかったのかって。言われたけど。
だけど、あなたはこう続けるんだ。
「こっちの月もすごくきれいに見えるから、電話しようと思ってたんだよ」ってね。
だからほら、離れてても、全然平気なんだよね。
おんなじこと、考えてる。
ただ、月があんまりにもきれいで。
吸い込まれそうなお月様に、魅せられて。
それを、あなたと共有して。
おんなじ空の下で
サイトの11111カウントをゲットした、ごんたさんからのリクエスト作品です。
リクエストは「まるいもの」ということで。
単純に『丸いもの→月』という発想はいやだなぁと思って、あーでもないこうでもないと考えていたのですが。
結局お月様ネタになってしまいました(苦笑)
(途中まで書いて、兄さんに「今こんな感じ」と見せたのに没になったというものまであるったんだけど。あれ? あの文章どこいったんだろう……)
某月某日、とてもきれいな満月をみました。
やっぱり月って「好きなもの」だわー、と思ったその日を思い出しつつ。